いじめのターゲットにされた時の対処 ②

パワハラ・セクハラ・いじめ

第一話に続いて、第二話でも対処法の続きを考えましょう。

挑発に乗らない

 そもそもデマや集団無視といった、いじめを仕掛けてくるのは1人か2人の口達者な人物であることが多いようです。これは私の実体験ですが、一人では喧嘩もできんのか、と悲しくなったことがありました。私はその人を

「シーザー」と呼び、悪い種(シーズ)をまく人だと、静かに納得していました。

シーザーは他の人に見えない状況を巧みに利用して、思いつく限りの下品の物言いや、小突きなどをしてきましたが、冷静に流していました。ですがある時、あまりの失礼さに、ついうっかり表情は変えずに(多分)、睨みつけてしまいました。

すると相手はなんと、私から睨まれた、と真反対のことを取り巻きに広めていたのです。
あらら、やっぱり、でした。

相手は責任転嫁の達人だと心する

ちなみにこの手法は、”責任転嫁”。因果をひっくり返してしまう大技ですが、こういう人たちは平気でこういうことをします。 そもそも失礼な言動をしてきたのは自分なのに、それに対して睨みつけたこちらを失礼な人間だ、と、逆に非難するわけです。

その現場を目撃していなければ、一般的には親密度の高い方を信じやすいですから、取り巻きの人たちもこちらを”横柄で失礼な人物”だとレッテル張りをすることになります。

中途半端な反論はリスキー

反論は逆効果になることもあるので注意が必要です。その反論をネタにされて、いじめグループの盛り上がりに利用されるかもしれません。

例えば、会社のコンプライアンス部門に相談したら、とたんに転勤を命じられたり、なぜか加害者である上司や先輩などから別室に呼び出される、なんてことも実際にあります。社長が起因者の場合、社長室に呼ばれて・・・。

あ~情けない話ですね。 話を戻しますが、「反論」は証拠を固めてから、徹底的に戦う腹を決めてから行う方がよいでしょう。

相手は狡猾です。それに対してこちらは大抵、正直者であったり、一人で抱え込む人であったりするので、反論には相当の覚悟が必要になります。

但し、何度も言いますが、実害が生じている場合は、慎重におだやかに、「正しい反論」や、信頼できる人への相談をしましょう。 実害とは暴力や財産的侵害はもちろん、「精神的苦痛」も含まれます。

最悪を覚悟する

勇気を振り絞った反論が、解決に結びつかない場合はどうするか? 人を落としてでも自分たちの喜びにしようとするような人たちなので、徹底的に戦わなければならなくなるかもしれません。

相手が会社の上司であれば、会社のコンプライアンス窓口となることが多いのですが、機能しないことも考えられます。ちなみに私が寄り添った、金融機関の関連会社のトップによるパワハラ事件では、コンプライアンス窓口は全く機能せず、多くの方々がその会社に見切りをつけ、去ることになりました。

一般的にこういった場合には、労働基準監督署や行政機関が設置する相談窓口、法テラスなどの無料の法律相談が次の相談場所として考えられます。その先は、、、裁判、あるいは退職交渉と転職活動という別次元のフェーズとなります。

冷静さとは客観力

自分を相手も含めて俯瞰する感覚があると楽になります。相手はこちらの感情をどうしたら揺さぶることができるかと知恵を絞ります。それを客観的に観察することができれば解決が早まるかもしれません。「次はどんなことを言ってくるんだろう」くらいの客観力が大事です。相手の言動をまともに受け止める必要はなく、相手の言動と自分との距離を置いて、自分の心の守りを固め、しばらくは正しく辛抱しましょう。また、自分の中の周囲への甘えや過大な期待がないかも注意しましょう。

相手の人格を否定しない

これ、大事です。そうでないと相手に引きずられて自分で自分を下げることになるからです。狡猾で陰湿な相手は、自分を被害者であるように装い、こちらに責任転嫁の印象操作をしてくるものです。こちらがその手に乗って相手の人格まで否定してしまうと、ますます相手の思うつぼ。

「言動と人格は別のもの」だと再確認し、人格ではなく相手の言動から視点をはずさないようにしましょう。解決のためには、こちらから相手の人格を否定する必要などありません。

いじめは未熟さからくる病理、大人社会にもある

人は誰しもコンプレックスを抱えていますが、他者に攻撃をしかける人というのは、コンプレックス⇒相手への攻撃が直結してしまうタイプが多い。ささいなきっかけで攻撃心を呼び起こし、口達者な人であれば周囲に同調者を増やし始める。先ほどの色々な手法を駆使して人の善良さにつけこみ悪感情を刺激して仲間に引き入れるのです。子供社会だけではなく、大人の社会にも子供じみた人はいますから、今後のためにも対処法を身につけましょう。

善意の他人を利用する悪人

ここに悪意の老練さが加わるとさらに始末が悪い。例えば「被害者を装う」ことなんて朝飯前のテクニック。お年寄りが張本人の場合、彼らは一瞬で「哀れな老人」を演じることができる。

もっとひどいのは「他人を利用する」手法。私が公共の場で実際に目にしたのは、全く無関係の異性に「(ターゲットが)あなたを見つめてるよ」などとウソを吹き込み、その気にさせて、けしかける。ターゲットにはその気はないので、距離を置くと、それを観察していて、「あの男は、冷たい、礼儀知らずだ」と吹聴しまわる。
利用された女性は悲しい思いをする。卑怯どころではない、人間としてやってはいけない行為だ。

執拗な印象操作

また、別の例ですが、他の社員達から自分の表情が見える立ち位置から、ターゲットに挨拶するかの如く首を振ってみせるが、ターゲットは相手がデマ元だとわかっているので、無視するか形だけあいさつを返す。すると、心からの悲しげな表情を社員達にして見せる。ターゲットからすると違和感しかないが、これが執拗に繰り返されると、意外に効果がある。これが、いわゆる「印象操作」という手法で、

「老人をないがしろにする人物」というレッテルが張られてしまう。だまされる方も騙されるほうだが、こちら側は防御しなければならなくなります。

ターゲットにされるわけ

いじめのきっかけは様々。嫉妬心、劣等感、遊び心、単に引っ込みがつかないから、などといった、小学生なみのことがきっかけになり、ターゲットを攻撃します。そしてターゲットが反応すると、それが面白くてさらにヒートアップする。もう幼稚すぎる話ですね。

ターゲットにされやすい人はいます。
人気者、美人、美男子、モテる人、というのは嫉妬心から攻撃の対象にされやすい。また、実害が生じているのに反論しないで我慢している人、、、見くびられて、エスカレートすることもあります。気をつけましょう。

逃げるが勝ち

タチの悪い人物にからまれることは誰にでもあります。
「逃げるが勝ち」と言います。相手が許せない場合でも、もし、あなたに逃げ道があるのなら、逃げることも選択肢の一つ。堂々と逃げましょう。退会する、転職する、自営を始める、引っ越す、これらも堂々たる選択肢です。もちろん、決断の前には適切な相手への相談も忘れずに。

まとめ

基本的には、まともでない相手に真正面から立ち向かうべきではありません。
当面は相手からの攻撃が”効かない”ようにする専守防衛の方法で、影響を最小限にしてほしい。そして、周囲が冷静になるのを待ちましょう。

①まずは鈍感力…相手の自分への言動に距離を置き、評価せず、極端な反応をしない
②受け身で観察…自然と目と耳に入ってくる情報を冷静に受け止め、あわてて行動しない
③疑心暗鬼を乗り越える…あなたは孤独ではありません。必ず信じてくれている人がいます
④敵意の中に好意あり、好意の中に敵意あり…人は好意と悪意を併せ持ち、簡単に変心します
⑤中途半端な反論はリスクもある…反論には、冷静な準備と覚悟が必要です
⑥最悪を覚悟する…最善の手を尽くしてなお解決されない場合は、腹をくくる
⑦冷静さとは客観力…状況を俯瞰し、相手の言動と自分の心を客観的に観察しましょう
⑧相手の人格を否定する必要はない…相手の行為と人格は分けて考えましょう
⑨幼稚ないじめはどこにでも…今後のためにも対処法を身に着けましょう
➉善意の他人を利用する悪人…他人を利用し、その人をも傷つける悪人がいる
⑪執拗な印象操作…自分への印象操作には、利用されそうな言動に気を付け、適切に抗議する
⑫逃げるが勝ち…ダメだと思ったら躊躇せず逃げる。最終的に自分を守るのは自分の決断
最後に

あなたはとても大切な人だからこそ、それをうらやみ、あるいは誤解して、
子供じみたことをしてくるのかもしれません。
向こうからやってくる卑劣な行為に、真っ向から立ち向かうよりも、柳のように受けて流し、相手を刺激せず、距離を置く術を身につけていきましょう。誰にとっても必要な生きる技です。

では、また、次の記事で
南川

追記;
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